伝統工芸品『江戸切子』とは?
江戸切子は東京都の伝統工芸品、日本の伝統的工芸品と2つの伝統工芸品に指定をされています。
東京都の伝統工芸品とは
◆製造工芸の主要部分が手工業的であること
◆伝統的な技術又は技法により製造されるものであること
◆伝統的に使用されてきた原材料により製造されるものであること
◆都内において一定の数の者がその製造を行っていること
日本の伝統工芸品とは、産地組合等が実施する検査に合格した経済産業大臣指定伝統的工芸品です。
◆一定の地域を形成してつくられてきたものです
◆生活に豊かさと潤いを与える工芸品です
◆機械により大量生産されるものではなく、製品の持味に大きな影響を与えるような部分が手作りにより作られています
◆100年以上前から今日まで伝統的な技術や技法で作られたものです
◆品質の維持や持味を出すために、必要な部分が100年以上前から今日まで伝統的に使用されてきた材料でできています
引用元:江戸切子協同組合
江戸切子の歴史
江戸切子の長い歴史は遡ること、1834年(天保5年)に江戸大伝馬町のビードロ屋、加賀屋久兵衛(通称:加賀久)が金剛砂という研磨剤を使い、ガラスに切子細工を施したのが始まりとされています。
江戸切子は庶民の手によって、製作し続けられたものなので、明治維新という大きな歴史の節目の影響も受けることはありませんでした。
明治初期には、日本政府が欧米の文物の導入に積極的となり、明治14年には切子(カット)指導者として英国人エマニエル・ホープトマン氏を招き、十数名の日本人がその指導を受けたことで、現代に伝わる江戸切子の伝統的ガラス工芸技法が確立されました。
この頃からヨーロッパの新しい技法を導入し、カット技術の進歩とガラス器の普及により、切子が盛んに作られるようになります。
画像引用元:セコリ百景「世界を魅了する江戸切子の輝き 篠崎硝子工芸所」
その結果、江戸時代の切子の伝統は絶えることなく、近代工業の要素を取り入れつつも、その文様や用途も身近な庶民の暮らしと共に発展していったことから、「庶民の育てた文化」とも言われています。
昭和59年には東京都伝統工芸品に指定され、地域のブランドとして定着してきました。
それ以降、若い職人に技術を伝え、育成をし、東京スカイツリー開業の際には、江戸切子を使った行灯風の看板がソラマチ商店街の全店舗に使われるなどして、さらに注目度が高まり今日に至ります。
江戸切子の代表的な模様
江戸切子の模様は、無数にあります。
ここでは、その中でも代表的な模様をいくつかご紹介します。
菊花
(Kikka)
麻の葉
(Asa-no-ha)
笹の葉
(Sasa-no-ha)
六角籠目
(Rokkaku-kagome)
八角籠目
(Hakkaku-kagome)
菊籠目
(Kiku-kagome)
矢来
(Yarai)
魚子
(Nanako)
七宝
(Shippo)
菊繋ぎ
(Kiku-tsunagi)
芯無し蜘蛛の巣
(Shin-nashi Kumo-no-su)
芯有り蜘蛛の巣
(Shin-ari Kumo-no-su)
引用元:江戸切子協同組合
『江戸切子』が体験できる工房3選
『江戸切子』と一言で言ってもとても奥深いもので、ただ「キレイ」、「風情がある」、「お土産」にという事だけでは申し訳ないくらい、長い歴史と多くの人に守られ、受け継がれ発展してきたものになります。
そんな江戸切子を職人技が光るお土産として購入するだけではなく、東京の良き思い出として、実際に体験してみてはいかがでしょう。
江戸切子 浅草おじま
画像引用元:NAVITIME Travel
画像引用元:江戸切子 浅草おじま Facebookより
「浅草おじま」は浅草伝法院通りにあり、浅草で三代も続く江戸切子職人の江戸切子のお店ということで、多くのメディアにも取り上げられている有名店。
切子の体験教室ができる工房は、店舗とは別にあり、浅草寺から徒歩7分ほどのところにあります。
工房が浅草寺の近くということもあり、外国人観光客も多く、最大25人程体験を受けることが可能なので、修学旅行生の体験や会社や女子会のグループにも人気があるようです。
自分で作った切子グラスは当日の持ち帰りが可能で、作業時間も60分程度なので、浅草観光の一部に組み込んで楽しむことができます。
浅草おじまインフォメーション
住所 | 東京都台東区浅草4-49-7 |
電話番号 | 03-4285-9664 |
営業時間 | 9:30~17:00 |
定休日 | 火・水・木・土(月・金・日は不定休) |
料金 | 大人 4,700円 小・中・高生 2,700円 ※材料費込み |
HP | http://www.edokiriko.jp/ |
※詳細はHPまたは電話でご確認下さい。
浅草おじま Googlemap
すみだ江戸切子館
画像引用元:すみだ江戸切子館
画像引用元:すみだ江戸切子館
すみだ江戸切子館では、色被せガラスでの切子体験ができます。
作業時間は約90分程度。外国人観光客も江戸切子体験に参加しているようです。
JR「錦糸町駅」より徒歩で行けるところにあり、創業100年を超えた老舗。
店舗には常時350点を超える切子作家の作品を展示販売しているので、体験で制作したものは自分用、展示販売しているものは贈り物用などにするのもいいですね。
展示販売、体験だけでなく、館内では江戸切子の製造工程や江戸の歴史についても展示がされています。
すみだ江戸切子館 インフォメーション
住所 | 東京都墨田区太平2-10-9 |
電話番号 | 03-3623-4148 |
営業時間 | 10:00~ 18:00 |
定休日 | 日・祭日及び夏季休暇・年末年始休暇 |
体験料金 | 要予約 1回4名まで/1日3組まで 平日のみ 大人(中学生以上) 4,500円(税込) 小学生(4年生以上) 2,300円 (税込) ※材料費込み |
HP | https://www.edokiriko.net/ |
※詳細はHPまたは電話でご確認下さい。
すみだ江戸切子館 Googlemap
彩り硝子工芸
画像引用元:NAVITIME Travel
画像引用元:彩り硝子工芸江戸切子製造販売店
平成6年4月にオープと他の2店舗に比べ新しい店舗兼工房になります。。
切子体験では、実際に職人が使用している機械で制作ができます。
職人のデモンストレーション、透明なグラスでの削りの練習をしたあと、色被せガラスに模様をつけ、手磨きまでの全工程が体験できるので、作業時間はミッチリ3時間と長めになります。
でも、少し難し目の模様にも、チャレンジできますし、職人さんが手助けもしてくれるので、クオリティの高いものを作りたいという方にはオススメです。より本格的に切子体験をしたい外国人観光客も参加しているそうです。
場所はJR「亀戸駅」から徒歩約6分。亀戸梅屋敷の向かい。
オリジナル作品も多数販売しているだけでなく、オーダーメイドの切子細工も受注しています。しかも、グラス類だけでなく、ペンダントなどの小物も販売しているので、身に着けてファッションとして楽しめる江戸切子を見つけることができます。
彩り硝子工房 インフォメーション
住所 | 東京都江東区亀戸4-19-13サニービル2F |
電話番号 | 03-5609-3618 |
営業時間 | [平日・土]10:00~18:00 [日・祝] AM 10:00~PM 4:00 (申し出によりPM4:00以降も営業可) |
定休日 | 不定休 |
体験料金 | 大人 (色被せ硝子)8,500円(税込) ※材料費込み ※土日祝日のみ 9:30~又は13:00~ |
HP | http://www.edokiriko.com/ |
※詳細はHPまたは電話でご確認下さい。